飾山囃子(おやまばやし)      (秋田県 角館)

1981年9月7~9日

9月6日の夜、「津軽1号」で上野駅から出発して大曲を経由して角館に入ったが寒かった。7日朝6時頃到着。

 7日は夕方17時から神明社へ各山15台が参拝する。それまでの時間、何もすることがなかった。7日の夕方は観光客も殆どいなくて、これが祭りかと思うほどだった。さすがに夜は冷えてきて寒い。

神明社では、一台の山車で約30分間づつ、山車の舞台で秋田手踊りが奉納される。

結局、一番最後の山車の奉納が終わるまで(夜中0時30分)付き合って、それから角館の駅の待合室で駅宿。寒いので野宿というわけにはいかない。

 8日の朝も堤で11時頃まで寝ていたが、9月になると東北は昼間でもさすがに寒かった。

やっと祭りらしい雰囲気になってくるのは15時頃からである。

従って、佐竹家上覧行進の時でも、ゆっくりと録音が出来、写真もゆっくりと撮る事が出来る。

18時を過ぎたころになると人出が多くなってくる。近郷近在の人たちが多いようだ。

圧巻は山車どうしのぶっつけ合いであろう。横山町でやったぶつけ合いは凄い。

てなわけで、大満足。

9日は徹夜であるそうな。

 

尚、津軽三味線奏者の高橋祐次郎はこの角館の町の出、だとかそうで、8・9日と公演がある。

Olympus OM-2,OM-4

 

 飾山囃子(おやまばやし)は、国の重要無形民俗文化財「角館祭りのやま行事(角館のお祭り)」である。

 そもそも何故、飾山囃子なのか。「46 東北夏祭り」で東北に行った時のことである。

 温泉大好きな私は、乳頭温泉の鶴の湯で露天風呂に気持ちよく浸っていたとき、管理小屋から聞いたことのない祭り囃子が聞こえてきたので、慌てて風呂を飛び出して尋ねて知ったのが、この角館の飾山囃子だったのである。

で、実際に聞いてみたいと思って翌年(つまり今年)この角館に来た訳である。

上の過去話のなかで、「録音」の話が出て来るが写真の他にも祭り囃子とか民謡に興味があって、祭りの写真を撮りに行くときは、必ず録音機材を持っていた出て行った。

 普通生録といえば、ソニーのデンスケが有名であるが、私が使っていたのは東芝のオーレックスのカセットデッキだった。かなりマイナーではあるが、性能は優秀で独立3ヘッドのマシンだった。ただ難点は、単一乾電池8本を使用するという目茶苦茶重たいマシンだった。

 このマシンで録音したテープが大量に残っているが、これもなんとかしないと、磁性体のバインダが剥がれて再生出来なくなるかも知れない。もう駄目かも。今のところオーレックスのデッキも壊れてしまった我が家には再生の手段が無い。

 

 今は、リニアPCM録音出来る小型ボイスレコーダタイプの装置が出ている。いい時代になったもんだ。

 

 東北の三大馬鹿囃子というのがあって、飾山囃子、花輪囃子、とあとひとつなんだったか・・・忘れた。多分日高囃子ではないかと思うのだが。

 

 一般的に見どころといわれているのは、通行の優先権を巡って「交渉」が持たれ、決裂すると「やまぶっつけ」と呼ばれる山車どおしの激突が行われるのだが、ぶっつけると互いの山車がすっと退く。するとすかさず山車の舞台上では秋田手踊りが始まる。これが実にいい。

 

曳山運行中は囃子が演奏される。

先ず、寄せ囃子で始まり、「大山囃子(通称上り 山)」を演奏しながら神社に向かう。

「下り藤」「神楽囃子」「道中囃子」など、アップテンポの演奏は聞いていて浮き浮きしてくる。

「荷方囃子」は超絶技巧の「秋田荷方節」じゃなくてもっとゆったりとした「仙北荷方節」が元になっているのだろうが、荷方囃子」の笛もかなりの難曲だと思う。

 

因みに、角館で買ったかどうか忘れました(あまり余所では売っていないと思われるので恐らく角館)が、飾山囃子のレコード「お山ばやし」を持っています。

収録されている曲目は

A面(キタウラ文化協会・お山ばやし角館組)

「寄せ太鼓」「大山ばやし(上り山)」「拳ばやし」「秋田おばこ」「小山ばやし」「狐拳」「おいとこ」「六法」「下り藤」

B面(田沢湖町神代芸能保存会津島組)

「二本竹」「秋田甚句」「荷方囃子」「おやまこ」「かまやせ」「神楽ばやし」「秋田音頭」「道中ばやし(下り山)」

それぞれの曲目についての説明が載っています。

 

これらの曲の一部が聞けるWebサイトを見つけました。(2022.09.17)

角館のお祭り おやま囃子/神代松竹会 http://www.hana.or.jp/~omatsuri/cd/cd3.html

 

 

 踊り手の 正装は紫の着物で拳囃子、二本竹などの奉納舞を踊る、などその辺の基礎知識をもって祭りを見物すると、もっと楽しくなるはずだ。

 

 今は秋田新幹線が走るようになって、東北の小京都として有名だがもう駅宿なんて出来ないのだろうなあ。この時は駅員の人が親切で駅舎を追い出されることもなかったし、朝駅員が待合室を掃除をしていたが、椅子で寝ているところを気を使ってくれ邪険に扱われることもなかった。いい時代だったんだ。本当に感謝である。

  

 夏の東北の祭りもいいですが、是非この角館の飾山囃子に行ってみてください。

私の一番のおすすめです。

 

 津軽三味線もいいですが、秋田三味線、秋田民謡もいいですよ。あのゆったりとした曲調は。

 

尚、1981年の画像がどうしても見つからなかったので、アップしている画像は1982,1984年のものである。ただ残念なのは、祭りの雰囲気を出したかったので意識的にフ ラッシュ撮影をしなかったが、山車の舞台はアーク灯だけなので露出かなり不足のブレまくりという状況であったので、これはという写真が撮れなかった。今もアーク灯なのだろうか。LEDだったりして。

同じ祭りに3回も通ったのは、ここだけだ。

 

2010.6.19 記

 


2013年09月07日(土)~08日(日)

というわけで、私自身3回目だと思っていたのが、この記事を読み返してみると、なんと4度目だったのね。

びっくり、である。

2013.9.7だから、3度目から実に29年の歳月が経ったわけだ。

角館駅前のロータリーは随分と綺麗になっていた。

 

それにしても、29年前に比べて人出が少ないように感じる。

カメラマンもそれほど居ないし、観光客も少ないようだ。

雨のせいばかりではないのだろう。

 

ところで角館は一般的には「かくのだて」と呼ぶのであるが、地元の人達は「かくだて」といっています。

角館を会話のなかでどう言うかによって、地元民か余所者かがわかっちゃうんですね。

雨が降っているせいか、滅茶苦茶緑がうつくしかった。

桜の葉っぱも、部分的に色づいていて美しいです。

元同僚の奥さんによれば、武家屋敷のなかで一番庭が美しいのだそうです。

苔が一面に生えていて、緑がとても美しかった河原田家です。

全体が写っていないので、よく分からないと思いますが「たそがれ清兵衛」のロケに使われた下級武士の住まいで、最後に清兵衛(真田広之)が余吾善右衛門(田中泯)と対決する舞台となった松本家だそうです。

因みに、石を置いた屋根にシダが生えているところ。

 

 

ここで「しろ出汁」の試飲をさせてもらったが、あまりに美味しかったので2本買ってしまった。

写真に写っている青年は、ここの息子さんだそうな。


2013.09.07(土) 夜   雨

7日は元同僚に昼から半日付き合ってもらって、夕方宿泊場所の「温泉ゆぽぽ」送ってもらった。この日は、夕食を食べて温泉に入ってゆっくりしていようと思ったんだけれども、なんと宿のシャトルバスが角館駅との間を往復しているというので、雨のお祭りの夜でも写真に撮ってこようと思って、取り敢えず出かけてみた。
 

でもしかし、神明社に参拝して下る時に演奏される囃子は喧騒のなかで聞くのはやっぱりいいね。じ~んときちゃう。

山車が下り始めの合図ののように囃子が軽快なリズムで始まり、威勢のいい掛け声のなかでくだっていくのだ。

 

生で聞いてほしいと思う。

7日の夜は、ここに参拝するんです。

この手踊りの奉納が済むと、山車は下って行くのだが、下る時に演奏される囃子を喧騒のなかで聞くのはレコードで聞くよりも何倍もいいね。

山車の下り始めの合図ののように「静」から「動」へと移る瞬間に、囃子が軽快なリズムで始まり、威勢のいい掛け声のなかでくだっていくのは実にいい。

 

本当に生で聞いてほしいと思う。

山車が参拝する道と、1本外れると祭りの喧騒が無くなり静かなものです。

道が雨に濡れているから、提灯の明かりを映して祭り情緒たっぷりでしょ。


2013年09月08日(日)

8日は、佐竹北家への上覧の日で、朝の10時から多分16時頃(多分)まで、18台すべての山車がここに集まります。

 

この提灯の右側のほうの家の玄関先佐竹のお殿様が座っておられて手踊りをご覧になられますが、長時間大変だなぁと思います。

 

因みに、ここの座っているいらっしゃるのは佐竹北家直系の秋田県知事さんで、この日は何をさておいてもここに来られるのだそうです。

 

ご覧のとおり,定紋は「扇に月」・・・太陽ではありませんが一般的には「日の丸扇」と呼ばれています。

山車に参加している男性は、これを首から下げています。

雨が止んだので、雨除けカバーをはずしました。

簡単に取り外していました。

写真的には、カバーを外してくれないとねぇ~。

山車と山車とが道路で向かいあうと、どちらが道を譲るのかで交渉が始まります。

基本、上覧のときは山車のぶっつけをやりません。

秋田美人ですなぁ。唄いながら手踊りをしています。

紫の着物は、正装です。

扇を持って踊るのは「拳ばやし」だったと思います。

基本的に、上覧時は2~3曲踊りますが一番最初はこれです。

 

それと、30年前はなかったと思うのですが、上覧時に各山車の審査をやってました。

審査項目に何があるか詳しいことはわかりませんが、お囃子の演奏、踊り、チームワークだったかな。間違っていたらゴメン。


京都の祇園祭の山鉾巡航時の辻回し、ではないですけどここでもお殿様の方に山車を向ける為に、直角に回します。

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