1983.9.3 撮影 Olympus OM-2 OM-4 zuiko 50mmF1.8 zuiko zoom 75-150mmF4
「民俗芸能」ではなくて「民謡芸能」と言っているらしい。
八尾は坂の町、と言われ今もなお昔ながらの風情を残している小さな町だ。
旧暦二百十日にあたる9月1~3日に風封じと豊年満作を願って三日三晩、踊り続け最終日は徹夜踊りになる。(多分今でもそうだと思う)
踊りは「豊年踊り」と女性が踊る「四季の踊り」、男性が踊る「かかし踊り」の3種類があり、豊年踊りとかかし踊りは農作業、女踊りは四季の風景を描写した振付になっているそうだ。実際に見ていると、苗の植え付けから稲の収穫までを一連の踊りで表しているのが分かる。
鳴り物は三味線、胡弓、太鼓の3種で、笛は無かったような気がする。
通りを進みながら唄い踊る町流しとともに、哀愁を帯びた胡弓の音が夜風にのって響いてくるのが風情があって実にいい。
胡弓という楽器は、他の民謡では殆ど使われていないと思うが、同じ富山県の越中五箇山の麦屋節でも使われているから、そういう音楽圏なのだろう。
ここもご多分に漏れず、この三日間には大勢の観光客が押し寄せているらしく混雑を極めているらしい。
そんななかでも、おわらの良さを本当に堪能したいなら、観光客が宿に引き上げたのち(夜10時過ぎた頃から)に、彼らが彼らのために踊る流しに付き合ってみるのがいいだろう。写真的にも絵になるし、特に上でも述べたように、古い町並みに灯るぼんぼりの明かりの中を、哀愁を帯びた胡弓の音が響き、編笠を深く被った男女がゆったりと静かに情緒高く踊り歩く、そんな情景に思わず涙まで出てきそうになる。徹夜踊りになる最終日がお勧めです。眠いでしょうけれど。
夜が白々と明け始めるころ、風の盆は終わる。
2010.8.7 記
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